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2021.02.25

仏像特集! 仏像といえばこのすがた!
「如来」ってどんな仏像?

 今回の仏像特集は、「如来(にょらい)の特徴」についてお送りします!

 

 薬師如来や阿弥陀如来など、名前だけなら聞いたことある……という方も多いと思いますが、「如来ってどんな仏像?」と聞かれると答えづらいですよね。

 

 そこで今回は、如来の基本的な特徴から豆知識まで、広く紹介していきたいと思います♪

お釈迦様がモデル!~如来像を知る~

 如来(にょらい)とは、悟りを開いた者のこと。だから、基本は瞑想や説法しているポーズをしているんです。

 

 悟った者にしか備わらないからだの特徴がいっぱいの如来を見ていきましょう!

~如来のからだのおもな特徴~

 

〇三道(さんどう)…首の3本のシワ。悟りに至る三段階の修業を表すといわれます。

 

〇納衣(のうえ)…地位や財産を捨て、苦行したことを示す粗末な衣服が定番。

 

〇結跏趺坐(けっかふざ)…足の甲を反対側の太ももの上に乗せる、如来の一般的な座り方。

 

〇印相…手の形によってさまざまなメッセージを発信。

 

〇蓮華座(れんげざ)…蓮華をかたどった台座。如来が座ることが多い台座。

 ここまでで如来の特徴がおおまかにわかってもらえたのではないでしょうか!

 では、ここからはクイズ形式で如来の見えないところを解説していきますよ~!

如来の頭のこぶには□□が詰まっている!

 如来像といえば頭の上のこぶ。その中には何が詰まっているのでしょうか…?

 

 如来像のモデルはお釈迦様。最初こそ実在したとされるお釈迦様の姿に近い仏像が作られましたが、時とともに、「悟りを開いたお釈迦さまはこんな感じだった」と弟子たちのアツい思いが加わり、いつしか超人的な特徴を持つ姿に。如来像には、32の大きな特徴と、80の細かい特徴(三十二相八十種好)があるとされています。

 

 頭の出っ張りも三十二相のひとつで、これは髪ではなく肉髻(にっけい)というコブ。人より智慧が詰まっているからポコッと出てしまっているのだそう。

最初はコブなんてなくて、髪を結いあげていただけなんだそう。いつの間にか話が盛られて人を超えた何かに...。智慧(ちえ)はもとからあります!

というわけで、答えは…?

答え:智慧(ちえ)
顔を覆うほどの長~い□がある!

 実際に見ることはできませんが、如来の□は薄くて広くて、とても長~いとされています。なんと、伸ばせばおでこの紙の生え際まで届くという長さ。ここまでくると、ちょっと怖…いえ、さすが超越した人ですね。

 

 そんなに長いと邪魔だったりしゃべりにくい気もしますが、如来にそんな負の要素は存在しません。長い□でも口の中にはピッタリ納まるし、言葉だって遠いところまで振動をもって伝わる超美声。しかも何を食べてもおいしく感じられるというから、うらやましい限りです。

というわけで、答えは…?

答え:「舌」
如来の眉間にはホクロのような□がある!

 如来像の眉間にあるのは、ホクロ?おでき?じつは、皆さんにもきっと生えている□なんです。

 

 この□は、「白毫」と呼ばれる如来の三十二相のひとつ。長くて白い一本の□(長さは一丈五尺=4.5メートル)が右回りに渦を巻いていて、人々を救済する際には光を放つといいます。これは「慈悲の光」といわれていて、如来のほか、格の高い菩薩にしかつかないものなのです。

 

 ちなみに、お釈迦様の肌はとてもなめらかで、ホクロやイボなどはひとつもないそうですよ。

おでこの中心に毛って、自分でも笑っちゃうけど、眉間は特別なパワーがある場所ですから。

というわけで、答えは…?

答え:「毛」
仏像の基本知識を身につけるなら『仏像ドリル』!

 今回は、如来像の特徴や豆知識について紹介しました!

 

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※本記事は、下記出典を再編集したものです。(新星出版社/大森)

出典:『仏像ドリル』

イラスト:Ⓒカワモトトモカ

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島田裕巳(シマダユウミ)
宗教学者、作家。1953年生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。おもな著書に『仏像鑑賞入門』(新潮新書)、『教養として学んでおきたい仏教』(マイナビ新書)、『親鸞と聖徳太子』(角川新書)などがある。
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