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2021.04.01

知っておきたい!贈答のマナー 🎀お祝い編
【”熨斗(のし)”の意味と種類・贈答早見表】

 春といえば入学や就職のシーズン。身近な方の新たな門出をお祝いする立場にいる方も多いと思います。また、6月のジューンブライドに向けて、婚礼もシーズンを迎えます。

 そこで今月の特集は、お祝いを贈る時のマナーについて説明します。ぜひこの機会に覚えておきましょう。(宮田真由美著『ラッピングの教科書』より)

”熨斗(のし)”の意味と種類を知ろう

 古くからのしきたりに由来する“のし”は、あらたまった場面で相手を大切にする気持ちや、贈答品の目的をスムーズに伝えることができます。奉書紙で包み、水引きを結び、のしをつける本式と、水引きやのしが印刷された略式があります。

のしをつける? つけない?

 のしは本来、お祝いごとで品物にのし鮑(うすくのばした鮑(あわび))を添えたことが始まりです。弔辞やお見舞い、生ものにはつけません。ただし、贈る相手が形式を重んじるタイプかどうか、自分との関係性なども考慮して臨機応変に対応しましょう。

本式と略式、どちらにする?

 相手の趣向と、相手と自分との関係で決めます。目上の人でも形式的なことを負担に思うタイプなら略式でかまいません。最近は印刷された略式ののしもフォーマルな包みとして認められてきていますが、やはり本式ののしは、贈りものに重厚感と品格を与えます。略式の場合はネットの無料ダウンロードサービスを利用したり、オンラインショップで“のし付き”のサービスを利用してもよいでしょう。

本式

 

略式

Q 表書きや、のしは必ず必要?

A 慶事の場合は、表書き・水引き・のしがそろったものが正式ですが、表書きやのしがなくても間違いではありません。ただし、格下の包み方になるので、親しい人のみに用いましょう。お見舞いの場合はのしをつけないため、水引と表書きだけで正式となります。

表書きなし

 

 

水引のみ

 

のしなし(お見舞い用)

水引について

🎀【結び方の基本と種類】 2色の水引は、結んだときに向かって右側に濃い色がくるのがしきたりです。結び方は目的に応じて選びます。何度あってもよいことには「蝶結び」、一度きりがよいものには「結びきり」や「あわじ結び」。「梅結び」など結びのアレンジは、弔事や改まった慶事ではNG。カジュアルなシーンでの飾りとして使いましょう

 

🎀【色や本数について】

 2色が中心でつながった水引は、紅白・金銀・金赤が慶事向け。弔事では黒白・黄白・双銀などを使います。目的とその土地の慣習によって選びましょう。本数は5本が基本。おめだいとされる奇数の3本、7本もアレンジで使われます。婚礼だけは特別で、5の倍数(新郎新婦2人分)として10本の水引を結びます。

Q のしにもいろいろ形がありますが?

 以下で紹介しているのしは、本式の一般的なもの。のしにも本式と略式があり、形により意味も変わってきます。しかし現在はそれを手作りして使い分けることはまれです。百貨店の包装サービスを利用する、市販のセットを購入する、一般的なのしをつけるなどで十分対応できます。

のし(本式)

◆表書き奉書紙を細く切り、贈る目的と名前を書き入れます。文具店などでは、表書き専用の紙もあります。

◆のしお祝いごとのみ使用し、弔事・お見舞いではつけません。ッピング専門店、手芸専門店、文具店などで手に入ります。

水引の結びにかからないようにつけます。

◆奉書紙色も模様もいろいろ出回っていますが、のしをつけるときは白を使います

縦は天地ぴったり、もしくは数cm短い程度。大きい場合は切らずに折ります

天地が数cm短い程度ならそのまま使用してOK。

 

◆水引目的に合わせて色、本数、結び方を選びます。なお、下の写真のように水引の先端が箱や奉書紙からはみ出すのはタブーです。

×

×

のし(略式)

◆のし…贈る目的に合わせて選びます。

◆水引…贈る目的にあった色、本数、結び方のものを選びます。

◆表書き…必ず記入しましょう。全体のバランスを見るために、箱にかけてから直接のし紙に書くようにします。

◆のし紙…天地ぴったりのサイズが好ましいですが、数cmなら天地が短くても大丈夫。大きい場合は、切らずに折り込みます。横は箱の側面にかかればOKです。

のしのつけ方

水引の結びにかからないように、両面テープで箱の右上につけます。箱にかけた水引とのしの下部の重なりは、のしが水引の下を通るようにしましょう。のしの下部が水引と重ならず、離れていてもOKです。

表書きのつけ方

奉書紙を細く切って短冊状にし、水引に差し込みます。略式とは違い、奉書紙の包みに直接書くのはタブーです。全体のバランスを見るため、包みに差し込んでから、水引にかからないように目的・名前を書き入れます。

Q 印刷されたのし紙では、水引の結びがのしにかかっているものがほとんどですが? 

A 確かにその通りです。そのため、水引の結びにのしがかかっていても、あまり気にしない人が多くなりました。とはいえ、せっかく本式でのしをつけるのであれば、礼を尽くした形にしたいものです。以下の例を参考に、正しくのしをつけましょう。

 

×

箱にかけた水引の上を、のしの下部が渡ってはいけません。

 

×

水引の結びにのしがかかっていてはいけません。

 

×

箱からのしがはみ出しているのはもちろんNGです。

 

×

のしを下につけすぎて、袋の部分が水引にかかってはいけません。

 

 

×

のしがまっすぐでなく、傾いていてはいけません。

Q 表書きをボールペンで書いている人がいましたが……。

A 表書きは毛筆か筆ペンで書くのが礼儀。万年筆、マジックペンも避けましょう。

Q 表書きにひらがなを使うのは格下になりますか?

A 漢字でもひらがなでも格は同じです。ひらがなは日本固有の文字。そのやわらかな印象が好まれ、最近は表書きでもよく見られるようになりました。

行事別贈答早見表

 行事にまつわる贈答は、贈るタイミングが大切です。また、手を加えなければいけないもの、かさばるもの、傷みやすいものは避けるのが原則。しかし贈る相手が望めば、タブ―とされているものでも大丈夫。心が通じつことが一番です。

🎀結婚祝い

🎀式に出席する場合は結婚式までに相手の自宅に持参、または式当日受付で渡す。式に出席しない場合は自宅に持参または配送する。

💰一般的に友人、同僚は2~3万円、親類は3~5万円。品物を贈る場合は5000~1万円程度。

🎁現金、食器、調理器具、時計など。

のし:必須。

水引:金銀、紅白。結びきり、あわじ結び。

🖌表書き:「寿」「御祝」。

⏎いただいたら:引き出物を渡す。渡せなかった人には、ご祝儀の半額相当の品を送る。

🎀出産祝い

🎀産後1週間~3週間以内に送る。

💰一般的に友人は5000~1万円、親類は1~2万円。

🎁現金、ベビー服、肌着、ベビー用食器、おもちゃ、オムツケーキ、ベビーカー、抱っこひもなど。

のし:必須。

水引:紅白。蝶結び。

🖌表書き:「ご出産御祝」「出産お祝い」。

⏎いただいたら:ご祝儀の半額相当の品を産後1か月くらいに。表書きを「内祝」「出産内祝」、下に子どもの名前(姓はなくてよい)としたのしを付け、紅白の水引を蝶結びする。

 

🎀入園・入学

🎀入園、入学が決まったときに。

💰相手との関係により、3000~3万円。

🎁現金、図書券、文具券、腕時計、財布、文具、ランドセル(オーダーメイドランドセルなどは半年前に締め切ってしまうこともあるので注意)、勉強机など。

●のし:必要。

●水引:紅白。蝶結び。

🖌表書き:「御祝」「入園お祝い」「御祝い入学」。

⏎いただいたら…お礼の電話をするか、お礼状を。中学生以上は本人から連絡をすること。

🎀就職

🎀卒業式から入社式までの間に。

💰5000~2万円。基本的に親類のみ。

🎁現金、商品券、腕時計、ネクタイ、バッグ、名刺入れ、手帳、印鑑など。

●のし:必要。

●水引:紅白。蝶結び。

🖌表書き:「ご就職御祝」「就職お祝い」

⏎いただいたら:本人からお礼の電話をするか、お礼状を。初任給でお礼の品を贈るときは表書きを「御礼」とする。

🎀新築・引越し

🎀新居に招かれたときに持参する。

💰一般的には友人知人は5000~1万円。親類には1万円程度。

🎁商品券、観葉植物、置き時計、家電、調理器具、キッチングッズなど。

●のし:必要。

●水引:紅白。蝶結び。

🖌表書き:「御祝」「新築お祝い」

⏎いただいたら:新居に招いたときのもてなしでOK。

🎀引っ越しあいさつ

🎀引越し当日。

💰500円程度の品。

🎁タオルやふきん、お菓子、洗剤など。

●のし:つけると丁寧。

●水引:紅白。蝶結び。

🖌表書き:「御挨拶」。下に姓を書く。

⏎いただいたら:その場でお礼の言葉を。

✖贈り物のタブー①

 目下から目上に贈ってはいけないものとして、時計や文具(勤労・勤勉を促す)、履き物(相手を踏みつける)、現金などがあります。長寿や定年退職のお祝い、敬老の日などの際は注意しましょう。ただし、開店・開業・災害は物入りのときなので、現金を贈ってもよいとされています。また、財布は秋(空き)に贈らず、春(張る)に贈り、ご縁があるようにと5円玉を入れておくと心づかいが感じられます。

×贈り物のタブー②

 日本では古くから、4(死)、9(苦)、は嫌われ、欧米では7、9、13が禁物とされてきました。最近は日本でも、13は避ける傾向があります。贈る品物の数を選ぶときには注意しましょう。品物のタブーとしては、結婚祝の場合、ガラス製品(壊れやすい)、刃物(切れる・割く)、白いハンカチ(別離)、淡い色のもの(色がさめる)など。当たり前の配慮ですが、新郎新婦のライバル会社の製品は贈らないようにしましょう。

 贈答品に欠かせない、のし紙の由来や正しい使い方をご紹介しました。『ラッピングの教科書』では、贈り物に関する知識も満載! 1冊あるととても便利です。ぜひお手元に♪

※写真/小泉健一郎(手順写真)、Shutterstock

※本記事は、下記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

ラッピングの教科書
宮田真由美 著(プロフィールは下記参照)
豊富な手順写真で基本の包み方からアレンジまでわかりやすく解説。長方形、正方形、円柱など様々な箱の包み方や、お花やお菓子、お鍋、一風変わったサッカーボールなど、この1冊でどんなものでもセンス良く包めます!また、マスキングテープ、ペーパークイリングといった最新のアレンジテクニックについても紹介。特にラッピングの基本書でペーパークイリングについて収録されているのは本書だけ!他にも紙とリボンの色の組み合わせや様々なリボンの結び方を一覧で紹介するページなど、悩みがちなこともパッと一目でわかる工夫も盛りだくさん♪まさに「はじめて」でもよくわかる親切・丁寧なラッピング本の決定版!
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宮田真由美(ミヤタマユミ)
大阪府堺市出身。ラッピング教室「赤いくつ」主催。商家に嫁ぎ、自身がラッピングした物をお客様が喜んでくれたことがきっかけで、ラッピングという「心を伝える」手段を世に伝えようと決意する。モットーは「包む人・贈る人の心を素直に表すと受け取る方の心も明るくなり感動も伝わる。カタチだけではない、心がこもった本当のラッピングを伝えて行く」こと。日本のみならず、アジア、ヨーロッパなど海外でも精力的にセミナー、デモンストレーションをこなす。デンマークの「ロイヤルコペンハーゲン」本社でもセミナーを行った。
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