ごぼう…1本(150g)
サラダチキン(市販)…100g
しょうが(みじん切り)…1かけ
サラダ油…小さじ2
A 水…500ml
塩麹…大さじ2
かつお節…1パック(4g)
鶏ガラスープの素…小さじ1/2
① ごぼうは皮を軽くこそげ、5㎜厚さの斜め薄切りにしてさっと水で洗う。サラダチキンは小さめのひと口大に切る。
② 鍋にサラダ油、しょうがを入れて中火で熱し、炒める。香りが出てきたら、水けをきったごぼうを加えてさらに炒める。
③ 全体に油がまわったらA、サラダチキンを加え、煮立ったらアクを除き、ふたをして弱めの中火で5~6分煮る。器に盛り、お好みで手で粗くちぎった青じそをのせる。
生活習慣病や基礎疾患、ウイルス感染など、あらゆる病気を予防するためには、腸内環境を整え、免疫力を高めることが大切です。
私たちの体を病気から守ってくれるのが免疫細胞ですが、その7割が腸に生息しています。そして、その免疫細胞の働きを助けるものこそが、「善玉菌」なのです。
私たちの腸内には、約1000種類、約100兆個もの多種多様な腸内細菌が住みつき、びっしりと腸壁に張りついています。
腸内細菌は大きく3つに分けられます。
🔹善玉菌…食べ物の消化吸収を助け、老廃物を分解する。
🔹悪玉菌…発がん性物質などの有害物質を作り出し、腸の炎症を引き起こす。
🔹日和見菌…腸内細菌でもっとも数が多い。健康な時には何もせず、腸内環境の悪化とともに悪い働きをする。
善玉菌は、腸の消化吸収を促し、老廃物を分解してくれるほか、食べ物から「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質を生成します。
この短鎖脂肪酸が、腸内環境を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。腸の炎症を抑えて機能を高めるほか、免疫細胞に働きかけ、免疫力を高める働きがあることが、研究で明らかになっています。
つまり、「善玉菌がしっかりと働ける状態にすること」が、「腸内環境を整えること」なのです。それこそが、あらゆる病気を遠ざけるカギなのです。
善玉菌の働きを助けるためには、毎日の食事がとても重要です。善玉菌には、乳酸菌やビフィズス菌、麴菌、納豆菌、酢酸菌、酵母菌などいくつかの種類がありますが、これらは食べ物を通じてとることができます。代表的な食材としては、みそや納豆、酢、麹、ヨーグルト、チーズ、漬物などの発酵食品が挙げられます。
食べ物によって腸に到達した善玉菌は、腸の消化吸収を助け、短鎖脂肪酸を生成して腸内環境を整えてくれます。ただし、これらの善玉菌が腸内にずっと住み続けるわけではありません。排便とともに出ていきます。だからこそ、毎日補充し、善玉菌の優勢を保ち続けることが必要なのです。
よく「生きた乳酸菌」などという言葉を聞きますが、善玉菌は腸に到達した段階で死んでいたとしても、腸内環境を整える効果があります。他の善玉菌の「エサ」となって善玉菌を増やしたり、免疫機能に働きかけたりすることがわかっています。
善玉菌を直接とる以外にも、善玉菌の働きを助ける方法があります。それは、善玉菌の「エサ」となる食べ物をとることです。食物繊維やオリゴ糖が、このエサにあたります。果物や野菜、豆類に多く含まれている食物繊維やオリゴ糖をとることで、体にもともと存在している善玉菌を増やし、その働きをサポートすることが可能となります。
さきほどお話したように、食事で送り込んだ善玉菌は排泄されてしまうので、毎日とることが大切です。発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌や酵母菌などさまざまな善玉菌がいます。腸内細菌の多様性を保つためには、取り入れる善玉菌の種類をできるだけ多くすることが大切です。だからこそ、1種類の発酵食品をたくさんとるよりも、2種類の発酵食品をとるようにしてください。
また、発酵食品で取り入れた善玉菌は、食物繊維が一緒にいてはじめて十分な働きをします。善玉菌が生成する短鎖脂肪酸は、食物繊維をエサにして作られるからです。
食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」とがあります。善玉菌のエサとなるのは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維を1種類は必ずとることで、2種類の発酵食品の効果がしっかりと発揮されるのです。
🔹チーズ
🔹白菜キムチ
🔹納豆
🔹みそ
🔹酒粕
🔹塩麹・しょうゆ麹
🔹酢(酢・黒酢)
🔹ヨーグルト
🔹豆板醬
🔹ザーサイ
🔹かつお節
🔹高菜漬け
🔹生ハム
🔹コチュジャン
🔹キャベツ
🔹オクラ
🔹ごぼう
🔹大根・切り干し大根
🔹にんじん
🔹さつまいも
🔹かぼちゃ
🔹モロヘイヤ
🔹にら
🔹ほうれん草・春菊
🔹トマト・ミニトマト
🔹ブロッコリー
🔹長いも
🔹里いも
🔹じゃがいも
🔹豆類(ひよこ豆・大豆など)
🔹雑穀系(押し麦・オートミールなど)
🔹海藻類(わかめ・芽ひじき・糸寒天・めかぶなど)
🔹なめこ
🔹アボカド
野菜や果物には、水溶性/不溶性食物繊維のどちらか一方だけが含まれているわけではなく、両方が含まれている場合が多いです。『善玉菌が腸まで届くスープ』では、スープに活用しやすく、水溶性食物繊維の含有量が多い野菜や海藻、穀物などを選んでいます。ぜひお手に取って活用してみてはいかがでしょうか。
出典『医者が教える 善玉菌が腸まで届くスープ』
料理写真 松久幸太郎
本記事は、上記出典を再編集したものです。
アイキャッチ画像素材 Shutterstock
病気を遠ざけ、健康に暮らすためのカギは腸内環境。
自律神経研究の第一人者である小林弘幸医師がお薦めする、「善玉菌の宝庫」と呼ぶにふさわしい60のスープとみそ汁を紹介します。
いずれのレシピも、「2種類の発酵食品」と「水溶性食物繊維」がたっぷり含まれています。
身近な食材で、手軽においしく、善玉菌を腸に届けていきましょう。
*料理は、倉橋利江が担当:「料理レシピ本大賞」に2回の入賞経験を持つ、今、人気の料理研究家です。
小林弘幸先生とタッグを組んで、健康に良くて、毎日でも飲みたくなる本当に美味しいスープのレシピを完成させました。
●善玉菌が腸まで届く条件は次の3点
・2種類の発酵食品
・水溶性食物繊維
・事前に水を100ml飲む
●まさに〝善玉菌の宝庫″ 1日1杯のスープで体の不調が消える
「睡眠の質が上がる」
「イライラ・不安をやわらげる」
「がん、高血圧、糖尿病を予防&改善」
「血流がよくなる」
「自律神経を整える」
「免疫力を上げる」
「老化を防止する」
など
●「身近な食材」を組み合わるだけで、手軽に、健康に、長生きできる!発酵パワーで1滴までうまい!
・みそ風味(みそ×かつお節)
・コンソメ風味(塩麹×チーズ)
・中華風味(酢×ザーサイ)