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2023.03.15
善玉菌が腸まで届くスープ

オリゴ糖がたっぷりのごぼうで、善玉菌をサポート! 【ごぼうとサラダチキンのジンジャースープ】を作ってみよう

【ごぼうとサラダチキンのジンジャースープ】の作り方
材料(たっぷり2人分)

 

ごぼう…1本(150g)

サラダチキン(市販)…100g

しょうが(みじん切り)…1かけ

サラダ油…小さじ2

 

A  水…500ml

  塩麹…大さじ2

  かつお節…1パック(4g)

  鶏ガラスープの素…小さじ1/2

作り方

① ごぼうは皮を軽くこそげ、5㎜厚さの斜め薄切りにしてさっと水で洗う。サラダチキンは小さめのひと口大に切る。

 

② 鍋にサラダ油、しょうがを入れて中火で熱し、炒める。香りが出てきたら、水けをきったごぼうを加えてさらに炒める。

 

③ 全体に油がまわったらA、サラダチキンを加え、煮立ったらアクを除き、ふたをして弱めの中火で5~6分煮る。器に盛り、お好みで手で粗くちぎった青じそをのせる。

小林弘幸先生が教える、腸内環境の整え方
善玉菌はどうして腸にいいの?

 生活習慣病や基礎疾患、ウイルス感染など、あらゆる病気を予防するためには、腸内環境を整え、免疫力を高めることが大切です。

 私たちの体を病気から守ってくれるのが免疫細胞ですが、その7割が腸に生息しています。そして、その免疫細胞の働きを助けるものこそが、「善玉菌」なのです。

 

 私たちの腸内には、約1000種類、約100兆個もの多種多様な腸内細菌が住みつき、びっしりと腸壁に張りついています。

 

 腸内細菌は大きく3つに分けられます。

🔹善玉菌…食べ物の消化吸収を助け、老廃物を分解する。

🔹悪玉菌…発がん性物質などの有害物質を作り出し、腸の炎症を引き起こす。

🔹日和見菌…腸内細菌でもっとも数が多い。健康な時には何もせず、腸内環境の悪化とともに悪い働きをする。

 

 善玉菌は、腸の消化吸収を促し、老廃物を分解してくれるほか、食べ物から「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質を生成します。

 この短鎖脂肪酸が、腸内環境を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。腸の炎症を抑えて機能を高めるほか、免疫細胞に働きかけ、免疫力を高める働きがあることが、研究で明らかになっています。

 

 つまり、「善玉菌がしっかりと働ける状態にすること」が、「腸内環境を整えること」なのです。それこそが、あらゆる病気を遠ざけるカギなのです。

何を食べると腸内環境が整うか?

 善玉菌の働きを助けるためには、毎日の食事がとても重要です。善玉菌には、乳酸菌やビフィズス菌、麴菌、納豆菌、酢酸菌、酵母菌などいくつかの種類がありますが、これらは食べ物を通じてとることができます。代表的な食材としては、みそや納豆、酢、麹、ヨーグルト、チーズ、漬物などの発酵食品が挙げられます。

 食べ物によって腸に到達した善玉菌は、腸の消化吸収を助け、短鎖脂肪酸を生成して腸内環境を整えてくれます。ただし、これらの善玉菌が腸内にずっと住み続けるわけではありません。排便とともに出ていきます。だからこそ、毎日補充し、善玉菌の優勢を保ち続けることが必要なのです。

 よく「生きた乳酸菌」などという言葉を聞きますが、善玉菌は腸に到達した段階で死んでいたとしても、腸内環境を整える効果があります。他の善玉菌の「エサ」となって善玉菌を増やしたり、免疫機能に働きかけたりすることがわかっています。

 善玉菌を直接とる以外にも、善玉菌の働きを助ける方法があります。それは、善玉菌の「エサ」となる食べ物をとることです。食物繊維やオリゴ糖が、このエサにあたります。果物や野菜、豆類に多く含まれている食物繊維やオリゴ糖をとることで、体にもともと存在している善玉菌を増やし、その働きをサポートすることが可能となります。

これが「善玉菌が腸に届くスープ」

 さきほどお話したように、食事で送り込んだ善玉菌は排泄されてしまうので、毎日とることが大切です。発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌や酵母菌などさまざまな善玉菌がいます。腸内細菌の多様性を保つためには、取り入れる善玉菌の種類をできるだけ多くすることが大切です。だからこそ、1種類の発酵食品をたくさんとるよりも、2種類の発酵食品をとるようにしてください。

 

 また、発酵食品で取り入れた善玉菌は、食物繊維が一緒にいてはじめて十分な働きをします。善玉菌が生成する短鎖脂肪酸は、食物繊維をエサにして作られるからです。

 食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」とがあります。善玉菌のエサとなるのは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維を1種類は必ずとることで、2種類の発酵食品の効果がしっかりと発揮されるのです。

ここから2種類の発酵食品をとろう!

🔹チーズ

🔹白菜キムチ

🔹納豆

🔹みそ

🔹酒粕

🔹塩麹・しょうゆ麹

🔹酢(酢・黒酢)

🔹ヨーグルト

🔹豆板醬

🔹ザーサイ

🔹かつお節

🔹高菜漬け

🔹生ハム

🔹コチュジャン

ここから1種類の水溶性食物繊維をとろう!

🔹キャベツ

🔹オクラ

🔹ごぼう

🔹大根・切り干し大根

🔹にんじん

🔹さつまいも

🔹かぼちゃ

🔹モロヘイヤ

🔹にら

🔹ほうれん草・春菊

🔹トマト・ミニトマト

🔹ブロッコリー

🔹長いも

🔹里いも

🔹じゃがいも

🔹豆類(ひよこ豆・大豆など)

🔹雑穀系(押し麦・オートミールなど)

🔹海藻類(わかめ・芽ひじき・糸寒天・めかぶなど)

🔹なめこ

🔹アボカド

 野菜や果物には、水溶性/不溶性食物繊維のどちらか一方だけが含まれているわけではなく、両方が含まれている場合が多いです。『善玉菌が腸まで届くスープ』では、スープに活用しやすく、水溶性食物繊維の含有量が多い野菜や海藻、穀物などを選んでいます。ぜひお手に取って活用してみてはいかがでしょうか。

出典『医者が教える 善玉菌が腸まで届くスープ』

料理写真 松久幸太郎

 

本記事は、上記出典を再編集したものです。

アイキャッチ画像素材 Shutterstock

 

善玉菌が腸まで届くスープ
小林弘幸 著(プロフィールは下記参照)
1日たった1杯のスープで、体の不調を消し去り、ストレスを緩和してぐっすりと眠れるようになれます。

病気を遠ざけ、健康に暮らすためのカギは腸内環境。

自律神経研究の第一人者である小林弘幸医師がお薦めする、「善玉菌の宝庫」と呼ぶにふさわしい60のスープとみそ汁を紹介します。
いずれのレシピも、「2種類の発酵食品」と「水溶性食物繊維」がたっぷり含まれています。
身近な食材で、手軽においしく、善玉菌を腸に届けていきましょう。

*料理は、倉橋利江が担当:「料理レシピ本大賞」に2回の入賞経験を持つ、今、人気の料理研究家です。
 小林弘幸先生とタッグを組んで、健康に良くて、毎日でも飲みたくなる本当に美味しいスープのレシピを完成させました。

●善玉菌が腸まで届く条件は次の3点
・2種類の発酵食品
・水溶性食物繊維
・事前に水を100ml飲む

●まさに〝善玉菌の宝庫″ 1日1杯のスープで体の不調が消える
「睡眠の質が上がる」
「イライラ・不安をやわらげる」
「がん、高血圧、糖尿病を予防&改善」
「血流がよくなる」
「自律神経を整える」
「免疫力を上げる」
「老化を防止する」
など

●「身近な食材」を組み合わるだけで、手軽に、健康に、長生きできる!発酵パワーで1滴までうまい!
・みそ風味(みそ×かつお節)
・コンソメ風味(塩麹×チーズ)
・中華風味(酢×ザーサイ)
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小林弘幸(コバヤシヒロユキ)
1960年生まれ。 順天堂大学大学院医学研究科・医学部教授。 1987年順天堂大学医学部卒業。1992年に同大学医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、2003年に順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。 2006年、同大医学部病院管理学研究室教授に就任、総合診療科学講座教授を併任している。専門は小児外科学、肝胆道疾患、便秘、Hirschsprung's病、泌尿生殖器疾患、外科免疫学。スポーツ庁参与・日本スポーツ協会公認スポーツドクターでもある。 国内で初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストであり、腸内環境を整える食材の紹介や、腸内環境を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。また同時に自律神経研究の第一人者として、スポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。2020年からはこれまでの経験を生かし、プロ野球チーム千葉ロッテマリーンズのサポートも行っている。 『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『医者が考案した「ラクやせみそ汁」』(アスコム刊)などのベストセラー著書のほか、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ)などメディア出演多数。

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