ビジネス&マネー&スタディビジネス&マネー&スタディ

2024.06.14
独立したいと思ったら知っておこう! 個人事業の始め方

【連載第3回】 個人事業開業の心がまえ

 前回(連載第2回)は、個人事業のさまざまな形態について解説してきました。今回は、実際に事業を行う上で大切な事柄について解説します。

質の高い商品を用意して売ること

 個人事業主だけでなく、事業を営む者にとって、最も重要な仕事は、質の高い商品(製品やサービス)を用意して、売ることです。

 質の高い商品とは、自分だけがよいと思ったものではなく、お客様にとって価値のあるものです。商品を作ったり、仕入れたりして、質の高い商品をお客様に提供できるように準備することは大切な仕事です。

 

 質の高い商品が用意できたら、次にそれを売ります。

 「売る」ためには、まず商品のよさを伝えなければなりません。店舗であれば、まずはお店に足を運んでもらうことです。その後、並べた商品からお客様の好みに合った商品を買ってもらいます。そのとき、さらにここにお店の雰囲気や従業員の接客といった付加価値が加わって、代金に見合ったクオリティかどうかが評価されます。フリーランスであれば、自分の実力や実績などをアピールして発注してもらうことです。

 購入された商品が、お客様から高い評価を受けることができれば、リピーターとなって再び購入してもらえます。飲食店の繰り返しの来店はその代表でしょう。

 これらが事業で一番大切な「質の高い商品を用意して売る」ということです。

すべての仕事を一人でこなさなければならない

 事業には、上記以外にもいろいろな仕事があります。大きな組織では、それぞれの仕事はいくつかのチームで分担されますが、個人事業主は、事業にかかわるあらゆる仕事を一人でこなさなければなりません。会社であれば、経営者、製造部、購買部、企画開発部、営業部、マーケティング部、広報部、経理部、人事部、総務部などが担当する業務が、個人事業では、すべて自分の仕事になるのです。

 

 事業の方向づけや年度計画といった経営者の仕事をはじめ、商品企画、仕入、営業、広告宣伝、サービス提供といった直接的な仕事はもちろんのこと、備品の調達、宅配便の発送、壊れたパソコンの修理、入金の確認のような間接的な仕事まで、個人事業主はすべて自分で行わなければなりません。アルバイトでも雇わない限り、誰かがやってくれることはないのです。個人事業を始めるならば、このことは覚悟しておかなければなりません。

開業の動機を掘り下げていく

 個人事業を始めるときに、最初に行うべきことは、個人事業を始めたいと考えている自分の動機を掘り下げていくことです。

 好きなことを仕事にしたいのか、好きな時間や場所で働きたいのか、自分のアイデアが通用するかを試してみたいのか、会社のしがらみや人間関係のなかで働くのがつらくなったのか、収入を増やしたいのか、家族や趣味の時間を増やしたいのか……など、いろいろな側面から掘り下げていくことが大事です。 

 もちろん、“動機が一つだけ”ということはありません。いろいろな理由が絡み合っているはずです。たとえば、「収入を増やしたいが、長時間、働きたくない」という点がぶつかったとしましょう。その場合、最低限どのくらいの収入にしたいのか、どのくらいの時間なら仕事に費やしてもいいのかなどを考え、バランスをとっていくのです。

 

 また、掘り下げていく途中で、個人事業での開業ではなく、部署異動や転職という選択肢も出てくるかもしれないし、別の事業アイデアが出てくるかもしれません。いずれにしても、一度しっかりと自分と向き合った経験があれば、個人事業を始めてさまざまな壁に当たったときに、乗り越えることができるはずです。

どのように独立するか考える

 個人事業の始め方は、大別すると「これまでの経験を活かす事業」「趣味の分野や興味のある事業」「まったく別の新しい事業」の3つに分けられるでしょう。

 「これまでの経験を活かす事業」ならば、ある程度のスキルやノウハウがあり、得意な分野なので、開業のハードルは低くなります。

 「趣味の分野や興味のある事業」の場合は、自分が関心をもっていることなので、調べていくことが楽しいため、どんどん知識がたまっていくことでしょう。

 「まったく別の新しい事業」の場合は、挑戦です。チャレンジ精神が旺盛な人に向いています。なお、すでに事業のしくみができあがっているフランチャイズを活用するケースもここに含まれるでしょう。

次回は、「個人事業が狙うべき“すき間”とは?」について解説します。個人事業についてもっと知りたい方は👉こちら

出典 『図解わかる 個人事業の始め方 2023-2024年版』

本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

 

イメージ写真 Shutterstock

図解わかる 個人事業の始め方 2023-2024年版
宇田川敏正 監修
本書は、「完全に独立して個人事業で食べていくことを目指している方」「副業からスタートし、近いうちに個人事業だけで生計を立てていくことを目指している方」に向けた、個人事業のすべてがわかる本です。
それも、コロナ自粛以降、急速に変化していた、新しい個人事業(フリーランス、店舗ビジネス、ネットビジネス、副業など)の働き方も解説しています!


本書は、個人事業・フリーランスを始めるときに知っておきたいことがわかります。
個人事業者としての、心構えから、成功のポイント、開業の手続き、そして経理・決算までを網羅しています。
それも、「図解」「イラスト」を多用しているため、わかりやすくなっています。

世の中にある、個人事業の書籍の多くは、「会社を辞めてから、個人事業・フリーランスになる方だけ」を対象にしています。
本書は、これらの方だけでなく、【最初は副業からスタートし、近いうちに個人事業だけで生計を立てていくことを目指している方】の例もふんだんに解説しています。

そのため、イラストレーター、カメラマン、ライター、プログラマー、講師、インストラクターなどの在宅(事務所を持たない)ワークのフリーランスから、事務所をかまえるフリーランス、飲食店、小売店、ネイル店などの店舗ビジネス、ネットショップなどのビジネスで独立したい方の知りたいことを解説しています。
さらに、ユーチューバーやアフィリエイターのような、年々チャンスが大きくなっているネットを活用したビジネスを行う方の知りたいこともわかります。

本書は、これから、個人事業やフリーランスで食べていきたい! と考えている方にぴったりの一冊です。
購入はこちら
宇田川敏正(ウタガワトシマサ)
宇田川税理士事務所所長(東京都港区新橋)。税理士、AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)、登録政治資金監査人。大学卒業後、大手ゼネコン(総合建設業)に入社し、建築・土木の各工事現場の工事事務全般(経理・労務等)を担当。平成13年、税理士として独立開業。クライアントは、個人事業者から上場企業まで多岐に渡り、誰にでもわかりやすく、納得のいく税務・会計指導を行っている。平成24年11月、中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関に認定。

監修書に『経理の教科書1年生』『簿記の教科書1年生』『個人事業の教科書1年生』(すべて新星出版社)がある。
新着記事