2021.08.19
生命保険への加入をする前に知っておきたい、商品選びのポイント

【③家計を保障する保険選び ~収入保障保険や逓減定期保険、逓増定期保険などの特徴~】

 定期保険の中にはさまざまなバリエーションがあります。「必要なときに必要な保障を」と考えたとき、保険加入者の家庭の事情によって有効に利用することができる保険があります。収入保障保険や逓減(ていげん)定期保険、逓増(ていぞう)定期保険などの特徴を『図解わかる生命保険』から解説します。

収入保障保険の特徴

 収入保障保険は定期保険の一つですが、通常の定期保険では一時金として死亡保険金が支払われるのに対し、収入保障保険の場合には保険期間満了時まで年金として支払われるという点に違いがあります。

 

 収入保障保険では、年金の受け取り回数に最低保証が設けられています。保険料払込み期間内に被保険者が死亡した場合、年金の受け取り回数が最低保証期間分に満たない場合は、満期を過ぎても最低保証分に達するまで年金を受け取ることができます。一般の定期保険と同じく満期保険金はなく、被保険者の死亡などにより年金の支払い自由が生じた後は、保険料の払込みが不要となります。

 収入保障保険は、世帯主に万が一のことがあったとき多額の一時金は不要という場合に利用することができる保険といえるでしょう。

逓減定期保険と逓増定期保険の特徴

 「少ない保険料で高い保障を」という定期保険の特徴を生かすためには、逓減定期保険を選択することもできます。逓減定期保険は、保険期間中に必要な保障金額に応じて保険金額を変えることで、必要以上の保障についての保険料を支払わなくてもすむからです。

 

 逓減定期保険には、一つの保険期間内で保険金額を契約当初の最高額から最低額まで減額していくものと、10年などの保険期間で最高額の6割程度に保険金額を減額していくタイプがあります。

 

 保険料は一定額のままで契約当初に保障も比重をかける必要がある場合などに利用することができる保険といえます。一般の定期保険に比べて6割程度の保険料ですむ点が特徴です。

 一方、逓増定期保険は、逓減定期保険とは反対に、一つの保険期間内で契約と当初の保険金額から毎年一定の割合で増額していくものです。20年から40年という長期間にわたって保険金額を増やしていきます。保険金額の増加割合は契約当初の5倍以内がほとんどですが、将来の物価上昇を考えて利用することもできるでしょう。

 ただし、一般の定期保険と比べてかなり割高なので、個人よりも企業が多く利用しています。

📒ケーススタディ

 👨Dさん(50歳)は会社員。結婚25年を過ぎて3人のこどもたちのうち2人が就職し、残っているのは17歳の次女一人だけ。妻と次女との3人暮らしです。

 次女は、大学へ進学するのか高校を卒業したら就職するのかをまだはっきりと決めていないようですが、それにしてもあと数年も経てばひとり立ちしてくれるだろうと考えています。

📃アドバイス

 このような家庭の場合、新規に保険に加入するなら一般の定期保険よりも逓減定期保険のほうがよいでしょう。次女が社会人になれば、必要な補償額は契約当初に必要だった金額ほどではなくなることが予想されるからです。次女が社会人になってひとり立ちしたら終身保険に変更することが可能なものもあります。

マイホームを購入したら死亡保障は減額できる

 マイホームを購入する場合にはローンを組むことが一般的ですが、新築マンションを購入するときなどに住宅金融公庫などから融資を受けると、団体信用生命保険に加入することになります。

 このような場合には、融資契約者である世帯主が死亡すると保険によって住宅ローンの弁済を受けることができます。つまり団体信用生命保険に加入していれば、万が一のことを考えて生命保険に加入する際に、住宅ローン分の保障を差し引いて考えることができるのです。

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出典『図解わかる生命保険』

本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

 

写真 NAR studio/Shutteerstock.com

図解わかる生命保険 2021-2022年版
ライフプラン研究会 編著(プロフィールは下記参照)
2021年5月現在の制度・法律に対応。定期・終身・養老の3大保険の特徴としくみをはじめ、医療保険など気になる保険や各種の共済保険など、最新のデータに基づきグラフや図などを使ってわかりやすく解説。「保険見直し時代」のポイントをアドバイス。
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赤塚裕彦:1958年生まれ。明治大学商学部商学科卒業。公認会計士・税理士。赤塚公認会計士事務所代表、理法監査法人代表社員。著書に『どうせ払うなら住民税より環境税』がある。

豊原徹雄:早稲田大学卒業。1988年社会保険労務士、07年特定社会保険労務士登録。中小企業における人事労務管理のアドバイスを行う一方、公的年金制度の解説、年金相談などを行う。

渡邉淳夫:法政大学法学部卒業。会社勤務を経て、平成6年4月弁護士登録。現在東京都中央区銀座で弁護士業務を行う。業務内容は保険(交通事故・生命保険)、不動産、金銭トラブル、離婚、相続問題など一般民事事件が中心。
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