2020.07.30
妊娠したら知っておきたい!

【帝王切開って?】

  妊娠がわかってからの約10カ月間は、ママと赤ちゃんが一心同体になり、絆を深めていく大切な時間。同時に、おなかの中の赤ちゃんがどのように育っていくのか、ママの体はどのように変化するのか……、 人間の生命の神秘を感じる10カ月でもあります。

 

 それと同時にママの心と身体は大きく変化します。つわり、体型の変化、出産への不安……、はじめての出来事が重なり、ストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回は、帝王切開について解説します。

 経膣分娩がハイリスクの場合、帝王切開になります。自然分娩でも、危険な状態になった場合は帝王切開に切り替えることも。心構えをしておきましょう。

帝王切開での出産は増加している

 帝王切開とは、開腹手術をして赤ちゃんを直接取り出す出産方法のことです。妊娠中に何らかの事情があって、経膣分娩での出産が難しいとわかった場合に帝王切開になります。お産が始まる前にわかっていれば「予定帝王切開」、経膣分娩の最中に危険な状態になり、帝王切開に切り替える場合を「緊急帝王切開」といいます。いずれの場合も、安全策を取ることで、赤ちゃんとママの命を守るために選択されます。

 

 一般病院での分娩件数に対する帝王切開の割合を見てみると、1987年には9.9%だったのが、年々増加して2017年には25.8%に(参考:厚生労働省「帝王切開分娩手術の割合の年次推移」 )。約4人にひとりが行っていることになります。年々帝王切開での出産割合が増えているのは、安全重視の傾向が強くなったから。現在では、逆子、多胎妊娠、前回の出産が帝王切開だった場合などでは、ほとんどが予定帝王切開になります。

うぶ声も聞けるし母乳も心配なし!

 「帝王切開では赤ちゃんを産んだという実感がわかないのでは」と心配する人も多いのですが、そんなことはありません。ほとんどの場合は局所麻酔なので、ママの意識ははっきりしていて、赤ちゃんのうぶ声を聞くこともできます。

 

 もうひとつ心配の声が多いのは母乳について。これも、手術直後から授乳可能なので心配いりません。なかなか出なくても分娩方法とは関係ないので焦らずに待ちましょう。

 「自然分娩を希望していたのに、自分の力で産めなかった」と悔やむ人も多くいますが、帝王切開もきちんとした分娩方法のひとつです。自分のおなかの中で命を育み、手術であっても「おなかを痛めて産んだ」ということに変わりはないのです。

【帝王切開の名前の由来】

 なぜ「帝王」なのか、その語源には諸説あります。帝王切開はドイツ語で「Kaiserschnitt」と記し、「Kaiser=皇帝」「Schnitt=手術」。さらにこの語源はラテン語の「sectio caesarea」。「caesarea」は切るという意味なのですが、これをかつてのローマ皇帝のカエサル(シーザー)と誤訳したのではないか、という説が有力です。「カエサルがこの方法によって誕生したから」という説も有名ですが、これは誤りとされています。

※本記事は、下記出典をもとに一部加筆・再編集したものです。(新星出版社/向山)

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産科医、医学博士。日本医科大学卒業。米国ロマリンダ大学で周産期生物学、日本医科大学大学院で産婦人科学と免疫学を学び、2005年まで葛飾赤十字産院に勤務。産科部長として周産期医療に力を注ぐとともに、JICA(国際協力機構)母子保健専門家として、ベトナム、アルメニア、ニカラグア、パレスチナ、マダガスカル、カンボジアの母子医療にも関わる。現在は東峯婦人クリニック(東京都江東区)副院長。2006年、生から死までホリスティック(=全体的)に関わりたいと、主にグリーフケアの場として東峯ヒューマナイズドケアセンター・ラウンジクリニックを開設。より優しい「生まれる」「生きる」を目指し、国・地域・医療の枠を超えた”行動派産科医”として活動している。(書籍刊行時)

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