2020.06.11
妊娠したら知っておきたい!

【気をつけたい「妊娠高血圧症候群」って?】

  妊娠がわかってからの約10カ月間は、ママと赤ちゃんが一心同体になり、絆を深めていく大切な時間。同時に、おなかの中の赤ちゃんがどのように育っていくのか、ママの体はどのように変化するのか……、 人間の生命の神秘を感じる10カ月でもあります。

 

 今回は、妊娠中に突然見られる、妊娠高血圧症候群について解説します。

赤ちゃんにもママにも危険が及ぶ

 妊娠高血圧症候群の定義は、「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧が見られる場合」、または「高血圧にタンパク尿を伴う場合」とされています。妊娠は体にとってとても負荷が大きい状態で、この負荷に体がうまく適応できずに起こってしまうものです。

 

 妊娠高血圧症候群は怖い病気で、発症すると胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんに送られる酸素や栄養が不足してしまったり、重症になるとママ自身が脳卒中を起こすリスクも高まります。赤ちゃんもママもとても危険な状態になってしまうのです。しかし、早期に発見し、治療を開始すれば、進行を防ぐことは可能です。

高血圧が特徴。尿タンパクが出ることも

 妊婦健診で毎回血圧をチェックし、最高血圧が140㎜Hg以上、最低血圧が90㎜Hg以上になると高血圧と診断され、妊娠高血圧症候群が疑われます。この高血圧と同時に尿タンパクが出ることもありますが、高血圧のみの場合もあります。

 

 ただし、血圧が正常で尿タンパクのみの場合は、妊娠高血圧症候群とは診断されません。

 

 かつて、この病気は「妊娠中毒症」という名前で呼ばれており、「高血圧、タンパク尿、むくみ」が主な症状とされていましたしかし、2005年に、これは毒が原因で発症する「中毒」ではないということから改称。また、むくみはほとんどの妊婦さんに見られるため、診断の条件からは外されました。

早期型と遅発型があり、発症する時期が異なる

 妊娠高血圧症候群を発症するのは妊娠20週以降。20~32週未満に発症する「早期型」と32週以降に発症する「遅発型」がありますが、早期型の場合は、赤ちゃんが小さいときに発症したからということで、この病気が重症化するリスクが高くなります。早期発見が重要なので、必ず定められた回数の健診を受けましょう。

 

 発症した場合は、食生活の改善と安静にすることが治療の中心になります。妊娠中に完治させることはほぼ不可能なので、細かく栄養管理をしながら自宅療養をしたり、重症の場合は入院して、安静を保ちます。

 

【なりやすいタイプ】

□ストレスがたまっている

□塩辛いものが好きな人

□多胎妊娠

□肥満の人

□高年齢で初産の人

□合併症のある人

体重管理とストレス解消で悪化を防ぐ

 必ずしも予防できるわけではありませんが、症状を悪化させないためには栄養バランスのよいメニューを心がけること、体重を増やし過ぎないこと、適度な運動、ストレス解消が大切です。

 

 この病気の原因は、ホルモンが関係しているなど、いろいろな説がありますが、はっきりとはわかっていません。しかし、妊娠そのものによる体への負荷が招くものなので、お産が終わればほとんどの場合は治ります。

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※本記事は、下記出典をもとに一部加筆・再編集したものです。(新星出版社/向山)

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産科医、医学博士。日本医科大学卒業。米国ロマリンダ大学で周産期生物学、日本医科大学大学院で産婦人科学と免疫学を学び、2005年まで葛飾赤十字産院に勤務。産科部長として周産期医療に力を注ぐとともに、JICA(国際協力機構)母子保健専門家として、ベトナム、アルメニア、ニカラグア、パレスチナ、マダガスカル、カンボジアの母子医療にも関わる。現在は東峯婦人クリニック(東京都江東区)副院長。2006年、生から死までホリスティック(=全体的)に関わりたいと、主にグリーフケアの場として東峯ヒューマナイズドケアセンター・ラウンジクリニックを開設。より優しい「生まれる」「生きる」を目指し、国・地域・医療の枠を超えた”行動派産科医”として活動している。(書籍刊行時)

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