今回は、『育児オールガイド』より、2歳~3歳の子どもの様子を解説します。
生まれたときはふにゃふにゃだった赤ちゃんが、たった2年で走り回ったり、言葉を話したりできるようになりました。これでママとパパが一生懸命育ててきたからこそ。これまでたくさんの喜びや驚き、ときには涙もあったことでしょう。
そして2歳は、また新たな成長ステージ、「第一次反抗期」を迎えます。子育てがさらに難しくなったと感じるかもしれませんが、ママもパパも、泣いて笑って悩んで、わが子と一緒に成長していきましょう。
身長が伸びて、およそ5等身に。シルエットの個人差は大きく、すらり体型、がっしり体型など、体型の個性もはっきりしてきます。
身体能力はどんどんレベルアップしていきます。ボールを蹴って1mくらい転がしたり、近距離から投げられたボールを受け取ったりもできるようになります。
手先もいっそう起用になり、クレヨンで丸を描けるようになったり、はさみを使えるようになる子も。手指の使い方が大人レベルになるのは8歳頃ですが、そこに向かって着々とレベルアップしていきます。
体の変化としては、新生児のときにペコペコした大泉門が閉じてきて、早いと奥歯が生えてくる子もいます。
第一次反抗期は、通称「イヤイヤ期」、欧米では「テリブルツー(terrible two)=魔の2歳児」とも呼ばれます。あらゆる場面で「イヤ!」と言うことが増え、かんしゃくを起こしたり、寝転がったりするので、ママも困惑することが増えるでしょう。
ですが反抗期は、強弱はあるにせよ、すべて親子が通る道。自我が発達して「こうしたい」という自己主張が強くなるものの、言語能力や身体能力が足りなくてうまくできない、というジレンマが、なんでも「イヤ!」という単純な言葉で表現されるのです。
2~3歳では「言葉の爆発期」も迎えます。これまでたくさんためてきた言葉が、泉のようにあふれ出て、一気にボキャブラリーが増えるでしょう。「ワンワン、あっち、いるよ」などの三語文も話せるようになっていきます。
また、名称を尋ねる「これ何?」に加え、「なんで?」「どうして?」という質問も出てきます。これは知的好奇心が強くなった証拠。答えてもらうことがうれしいので、正解にこだわらなくて大丈夫です。例えば「雨が降るの、なんで?」と聞かれたら、「お空もエーンって泣いているのかな」と答えても楽しいでしょう。
3歳に近づくと、自分以外の人にも少しずつ関心がわいていきます。ママの体調が悪そうだと「ママ、大丈夫?」と聞いてくれることもあるかもしれません。ただし、まだまだ自己中心的に振る舞うことが圧倒的に多い時期。ママはわが子も他人も思いやりの小さな芽を大切に育んでいきましょう。
食べる力や消化能力が発達して、大人に近い食事になっていきます。ただし、味つけは薄めを守り、刺激物や消化に悪いものはまだ避けてください。
手洗いや歯みがき、着替えなどの生活習慣を根付かせていきましょう。引き続き「自分でできた!」という経験を積むことが大切な時期でもあるので、上手にできなくても自分でやらせてあげて。ママがやれば1分で済むことも、自分でやらせたら15分かかるかもしれません。ですが、そうした経験をたくさん積むことが、自立への土台をしっかり固めていくのです。ママは時間と気持ちに余裕をもつように心がけましょう。
「自分でできた!」を味わわせたくても、実際には上手にできないこともたくさんあります。上手にフォローしてあげましょう。
🔹自分でできやすいように工夫する
「がんばればできるレベル」に工夫してあげましょう。例えばおもちゃ箱には、しまうおもちゃの絵を描いて貼ってあげると自分で片付けやすくなります。ズボンはひとりで履けるようなゴム口のゆったりしたデザインを選んであげて。
🔹子どもに「仕上げ」をさせる
仕上げをすると「自分でやった感」が出ます。例えば歯みがきは、通常「子どもがみがく→ママが仕上げみがき」の順ですが、ママがみがいてあげてから「仕上げをお願いします!」と子どもに歯ブラシを渡してあげましょう。
🔹選択肢から選ばせる
服を選びたがるときは、2~3種類を出しておき、「どれがいい?」と選ばせてあげると自分で決めた気分に。公園から帰りたがらないときは、「最後にすべり台する? ブランコする?」などと選ばせるのもおすすめです。
まねをする力が発達すると、「ごっこ遊び」につながっていきます。段ボール箱でおうちごっこをしたり、ぬいぐるみを赤ちゃんに見立ててお世話ごっこをしたり。ままごと遊びもママの生活のまねをするごっこ遊びです。ママも相手役になりきって、やり取りを楽しんであげましょう。
また、お手本をまねする手遊びやダンスもどんどん上手になっていきます。リズムに合わせて手をたたいたり、ジャンプしたりも楽しめます。
児童館などで遊んでいる子どもたちを観察すると、男の子は乗り物のおもちゃが好き、女の子はぬいぐるみで遊ぶのが好きなど、遊びの性差を感じるかもしれません。確かにそうした傾向もありますが、実際は個人差の方が大きいもの。遊びの好みも個性ですから、傾向は気にしないで、その子が好きな遊びを存分にさせてあげてください。
「表現すること」の喜びも知っていく時期です。きれいな包装紙を細かくちぎって紙にペタペタ貼ったり、お散歩で摘んできた草花を部屋に飾ったり。「上手だね」だけでなく、「きれいだね」「素敵だね」といった言葉もかけて豊かな感性を育んであげましょう。
同年齢の子とのふれあいが始まると、たたいたり、たたかれたりといったトラブルが頻発します。ママにとっては気苦労の種ですが、こうしたお友だちトラブルを通じて、自分の思い通りにならないことを学ぶことは、人間的成長に必要不可欠です。「かみつかれたら痛い」「おもちゃを取られたら悔しい」「ぶったら相手が泣いちゃった」などの経験は、将来「相手の気持ちを推測する」という力につながるもの。やられても、やってしまっても、学べることがあるのです。
ママはトラブルを起こさないように必死になるのではなく、「成長の機会」と考えて、両社の仲介役を務めてあげましょう。
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